発進 2

 発進が上手く行かない時の理由として・・・アクセルの踏み込み量が足りない・・と、言う事がありますが・・・?
 実は・・これが「くせ者」なのです!

 アクセルペダルをまったく踏まないと、エンジンは自分自身が回っているのが精一杯なので、多少エンジンに余力を持たせる為にアクセルペダルを踏む必要は・・・確かにあるのですが・・・
 
 踏み過ぎると逆効果になるのです!

 実際の自動車のメーターの画像で説明いたします。

これが「アイドリング」状態のエンジンです。
 1分間におよそ700回転で回っています。

 右側のメーターが、エンジンの回転計です。
数字が千の単位です。一分間での回転数です。

 右側の赤い丸いランプが点いているので、完全に停止しているのが判ります。

 勿論、左側のスピードメーターは「0」を指しています。

 この状態では、エンジンは自分自身が回っているのが、精一杯のじょうたいです。
 しかし、その状態で無理やりにクラッチをつないで発進させてみると・・・スピードメーターの針が僅かに動く位の速度で車は走ります。 ギヤは「ロー(1)」ギヤです。

 エンジンの回転数は、アイドリング状態の700回転です。

 ですが・・・アクセルペダルを踏まないで発進させるのは、エンジンに対しての負担が大きくなるので・・・エンジンの発生する力に余裕を持たせる為に、少しアクセルペダルを踏んで発進した方が余裕のある発進ができます。
 
 今度は、少しアクセルペダルを踏んで発進してみます。
エンジンの回転数は、2000回転です。 ギヤは、同じく「ロー(1)」ギヤです。

 これ位にエンジンの回転数を上げてやれば、発進は楽に出来るようになるのですが・・・速度が、およそ16km/hになっているのが判りますか?

 と・・・言う事は、この時速16kmになるまで、「半クラッチ」を続けないといけない!・・と、言う事がお分かりでしょうか?
 これが、3000回転になると・・・時速30kmになります。

 と・・・言う事は、3000回転の場合は時速30km近くになるまで、「半クラッチ」を続けないといけないと、言う事になるのです。

 つまり・・・発進する時は、エンジンの力に余裕を持たせる為に、少しアクセルペダルを踏み込みますが・・・あまりにたくさん踏み込むと、エンジンの回転数が多くなり、長〜い「半クラッチ」をせざるを、得ないと言う事になるのです。

 ですから・・・発進の時のアクセルペダルの踏み込み量は、出来るだけ少ない方が、短い時間で半クラッチを終わらせる事が出来る、と言う事!!


 これが・・・上手く発進できないと、エンストが怖いものだからものだから、逆にアクセルペダルをたくさん踏んで、エンジンの回転数を多くするものだから・・・長〜い半クラッチが必要になるのですが、早く発進したいもので・・・待ちきれなくて、早くにクラッチペダルを上げてしまうので・・・飛び出すような発進になったり、エンストしたりしてしまうのです。 悪循環すると言う事!

 ですから・・・発進は出来るだけ少ないエンジンの回転数で(と、言ってもまったく踏まないのは・・機械的には良くはありません)クラッチ操作をするべきなのです。

 要は・・発進は「クラッチ」で、するものであり・・・アクセルはエンジンの力に余裕を持たせる為の、単なる「補助」でしかないのです。

 MT車の発進は、左足でするものであり、右足が出番になるのは、左足を上げてしまってからです!


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