エンジンオイル交換 4輪車編 


 4輪車のエンジンオイルの交換を紹介したいと思います。

 まず・・・いつものことですが・・・そもそも、何故にオイル交換が必要なのでしょう?
その為には、エンジンオイルの役割を考えてみましょう。
エンジンオイルの役割は、基本的には5つです。 それは・・・


 潤滑、密閉、冷却、防錆、そして洗浄の5つです!

 この中の、潤滑、冷却と洗浄が特にエンジンオイルを劣化させるので、定期的に交換をするべきなのです!
 エンジン内部では、金属の部品同士が非常に高速で擦れ合って動いています。
そして、燃料が燃える力で動いているので、非常に高温になります。また、それらが発生させる汚れがエンジン内部にはたくさんあります。これらからエンジンを守るために、エンジンオイルは過酷な仕事をエンジン内部にて行なっております。ですから、エンジンを守る為にもエンジンオイルの定期的な交換が必要なのです!

 「でも・・・うちの車は、買い物に行く程度で・・・あまり走らないから大丈夫かな?・・・」 と、お思いではありませんか? それは・・・

 
大きな間違いです!! エンジンオイルは、温度の上がり下がりで、劣化が早まります!


 そのため、一回の長距離走行よりも、複数回の短距離走行の方が劣化を、速めます。
ですから、走行距離が少なくても定期的に交換した方が良いのです。少なくとも、春と秋に交換することをお勧めいたします。何故、春と秋なのか?それは、「温度差に対しての対応」です。外気温の違いが、エンジンオイルにも影響することが考えられるからです。

これが、私の愛車「日産プリメーラワゴン」のエンジンルームです。前輪駆動(FF)の横置き2000ccガソリンエンジンです。
エンジンのヘッドカバー左上にエンジンオイルの注ぎ口があります。
黄色の輪っかが「オイルレベルゲージの取っ手」です。

 まずは、エンジンオイルの状態を見てみましょう?
この様に、右手でオイルレベルゲージを持ち、もう片方の手でウエスで拭きながら引きぬくと、周りを汚さないですみます。
そんなに悪い状態ではなさそうです。

 それでは、交換を実行しますか?
これが、今回使う「エンジンオイル」、「オイルフィルター」そして、「廃油処理箱」です。
まずは、「廃油処理箱」ですが・・・これがなかなかの優れ物でして・・・私は最近は、これを良く使います!箱の中には、再生紙がたくさん入っていて、廃油を吸収してくれます。
 こんな感じで、廃油受けとして使います。
今回、使う工具類です。
 小型フロアジャッキ、17mコンビネーションレンチ、オイルフィルターレンチの3点です。

 勿論、普通のジャッキでもかまいません!
まず、作業し易いようにジャッキアップします。
 赤い矢印の所に、二か所の切り欠きが有りますが、ここにジャッキを掛けます。

 ここ以外に、ジャッキを掛けて持ち上げると車体が変形する場合があります!
こんな感じです!
ここ以外の所は、ダメですよ!!
こんな感じで、少し車体を持ち上げてやると作業し易くなります!
 
 そして、車体の下に潜り込みます。
白い矢印の部品が、「オイルパン」と言う、エンジンオイルが溜まっている場所です。
 この「オイルパン」の後ろ下の赤い矢印の所に、エンジンオイルを抜く為の「ドレンボルト」が、あります。
 何故に、作業し難い後ろ側に有るのか?
おそらくは、石はねなどでボルト部分を傷めない為でしょう?このドレンボルトの部分を傷めると、致命的なダメージになる場合があります。特にバイクでは・・・
この「ドレンボルト」にレンチを掛けて、外します。レンチは、ボルトを傷めない為に「めがねレンチ」を使う事をお勧めいたします。

 回す方向は、万国共通で・・・緩める時は「左まわし」、締める時は「右回し」です。
めがねレンチで緩めたら、後は手で外して行きます。この時、ボルトの頭を人差し指で押さえながら左へ回して行き、外れる時に上側に捻りながら外せば、オイルで手を汚すことを最小限度で済ますことが出来ます?
 
 勿論、この時にドレン口の下には、廃油処理箱を置いておきます。
後は、廃油が抜けきるのを待ちます。

 ある程度オイルが抜けたら、ジャッキを下げてやります。
外したドレンボルトを、外観チェック。
 細かい金属クズとかが無いか?
ねじ部分に痛みは無いか?

 とか・・・

 オイルが抜けたら、ドレンボルトを組み付けます。この時、あまり強く締めすぎないように!ドレンボルトは走行中には、かなりの温度になりますが、高温になるボルトは自然にきつく締まるようです?ですから、締めすぎには要注意です!
今回は、オイルフィルターも交換します!
エンジンオイルは、エンジン内で非常に高速、高圧で動く状態になるので、オイル内の異物を除去する為に、「オイルフィルター」が装備されています。これを、出来ればオイル交換時には一緒に交換した方が良いのです!

 さて・・・この「オイルフィルター」なのですが・・・これが汚れたまま放置されると・・・大変な事になるのです!
 オイルフィルターはエンジンオイルの「掃除役」なのですが・・・これが汚れ過ぎると、目詰まりを起こして、エンジンオイルが流れ難くなります。そうなると・・・必要な量のエンジンオイルが流れなくなると、エンジンに致命的なダメージを与える事になるので、その場合はオイルフィルターを通さずに「バイパス経路」を通って流れるようになっています。 と、言う事は・・・非常に状態の悪いエンジンオイルが循環する事になり、結果的にエンジンに対して大きなダメージを与える事になります。
 ですから、エンジンオイルの交換時には同時に交換した方が良いのです。少なくとも、オイル交換2回に1回はオイルフィルターを交換した方が良いと思います。

さてさて・・・その「オイルフィルター」なのですが・・・私の車は、エンジンの後ろ側と言う・・・非常に作業のし難い所にあります!
 そこに、オイルフィルターレンチを掛けて外します。
こんな感じで、オイルフィルターレンチを掛けて回します。これは、「外す」時です。「締める」時は、これの反対向きで掛けます。
オイルフィルターを組み付ける時は、オイルフィルターの組み付け面のOリング(黒い部分)に、必ず少量のオイルを塗りつけます。
 これを、やっておかないと「オイル漏れ」が、この部分から起こる事があります。
ドレンボルトを締めつけて、オイルフィルターを組み付けたら、エンジンオイルの注ぎ口からエンジンオイルを、オイルジョッキで注ぎ入れます。
4L缶から直接入れてしまう「猛者」もおられますが・・・私は必ず、「オイルジョッキ」を使います。オイルジョッキは使う量の倍位の物を使う方が、使い勝手が良いです。(4Lなら8L、2Lなら4Lと、言う風に)

 私のオイルジョッキは、「バイク用」なので、1Lしか入りませんので、何度も入れなければなりません。
入れ終わったら、蓋をしっかりと締めます。「カチッ」と、音がしたら大丈夫でしょう。
入れ終わったら、オイルレベルゲージで量のチェックです。
多すぎても、抜く事は難しいので・・・少なめから少しづつ足していって調整します。

 ちなみに、オイルレベルゲージの「L」と「H」の間は、各自動車メーカーで統一されているようで・・・1Lの量だと言うことです。
廃油は、付属の締めつけ帯(タイラップ)で、漏れないように締めつけて、「燃えるごみ」として出します。(決して、下水へ流したりはしないように!)

 以上、オイル交換でした。

 ま〜、やってみれば・・・そんなに難しいことはないのですが・・・と、言う所です。
この後に、少し動かしてみて、「量は適量か?」、「漏れは無いか?」などのチェックをするのはあたりまえと・・・考えてください。

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