二輪車用ヘルメットの考察 2
さて前回、二輪車用ヘルメットの歴史と種類を簡単に考察しましたが、今回は実際の使われ方などを考えてみましょう!
まず、ヘルメットには「規格」がある事を、覚えておいてください。
教本や雑誌には、「SGマーク」 「PSマーク」の有る物、または「JIS規格」を通っている物を使用すること、と書いてあります。
これらは、二輪車用乗車ヘルメットとしての 『最低限の安全性』を、保持して作られています。
と、言うだけのことです!また、二輪車用ヘルメットの「JIS規格」は2種類あります。
「JIS規格一種」は、125cc以下のバイクに乗車する際の「最低限の安全性」と言うものです。
そして「JIS規格二種」は、125ccを超えるバイクに乗車する際の「最低限の安全性」と言うものです。(以前のJIS規格では、A,B,Cの三種類に分かれていました。)
このタイプが、「JIS規格一種」と言う物です。 街中で良く見かけるヘルメットであり、原付ライダーのほとんどが使用しているヘルメットですね? |
こちらのヘルメットも同じく「JIS規格一種」でしょう? こちらは原付だけではなく、大きなバイクに乗っている人の中でも使用している方を多く見かけます。 特に、「旧車」ファンの若者に多いようです? マンガの影響なのでしょうか? |
でも、これらのヘルメットに「安全性」と言うものがあるのでしょうか?
私には、「まったく無い」としか思えません!
そもそも、125cc以下と125ccを超えるバイクの乗車に違いがあるのでしょうか?(高速道路に入れるか、入れないかの違いと言う事なのでしょうが・・・)
制限速度が時速40kmの中で、125cc以下と125ccを超えるバイクの走る速さ、運動エネルギーに違いがあるのでしょうか?バイクの大きさや重さで、運動エネルギーは変ると言えなくはないですが、それはあくまで「バイク」に対してであり「ライダー自身」に対しては同じなのです!!大きなバイクに乗った時に、体重が増えるわけではありません!
ですから、大きなバイクに乗る時はしっかりとしたヘルメットを使用し、小さなバイクに乗る時は簡単なヘルメットで良いなんて考えは、どう考えてもおかしいのです!!
この様に考えると・・・JIS規格の「一種」 「二種」の規格分け自体が不合理なものと思われます。
おそらくは、バイクに乗らない「お役所のエライさん」が考えた規格なのでしょう?
バイク用ヘルメットの安全規格としては、他に「SNELL(スネル)規格」と言うものがあります。
JIS規格よりも遥かに厳しいテストを課した、ヘルメットの安全規格です。だいたい5年おきに新基準が決められているようです。
バイクレースの出場には、こちらの基準をパスした物のみが使用できるようになっているものが多いようです。とは言っても、レース用の規格ではないのです。あくまで公道走行用のヘルメットの規格なのです。
「アライ」や「ショウエイ」などのビックネームの会社の製品は、ほとんどこちらの基準をクリアしています。(ですから高額になっているところがあるのですが・・・)
ちなみに、「アライ」 「ショウエイ」のヘルメットには上の画像のような「半キャップ」はありません!
本当の安全性を考えたなら、「半キャップ」は製造出来ないと言うのが本当でしょう?
しかし、街中では「半キャップ」のヘルメットがたくさん走っています。
もっと酷いヘルメットもたくさん見かけます。たとえば・・・
こんなタイプのヘルメット! なんて呼ばれているのでしょう? よく・・・アメリカンスタイルのバイクに乗っているライダーが、かぶっていますが・・・これで高速道路を走るなんて、ヘルメット着用のルールをクリアするだけのヘルメットではないでしょうか? 安全性を確保出来るとは、決して思えません??? |
そして街中で良く見かけるのが・・・
この様にヘルメットを前後ろを逆にかぶっている人! これでは、いくらなんでも酷すぎます! いくらいい加減な作りの「JIS規格一種」のヘルメットでも、多少は前後を意識して作られているはず?です。 特に、「あご紐」の位置がおかしくなってしまいますから、強い衝撃を受けた時に、首や顔などに大きな負担が掛かるのは明白です! 面白がってこの様なかぶり方をされる方が、おられるのでしょうが大変に危険です! |
ま〜こう言ういい加減なヘルメットであるからこそ、前後を逆にかぶったり、頭の上にのせるだけ?と言う様なかぶり方が出来てしまうのですが・・・しっかりとしたヘルメットでは、こうはいきません!
それでは、ここでヘルメットのかぶり方、脱ぎ方を簡単に見てみましょう。
まず、かぶり方です。 この様に、下向き状態からヘルメットを後ろに回しながらかぶると、スムーズにかぶれます。 この時、「あごひも」を左右に引っ張って、ヘルメットの開口部を、広げながらかぶります。 本当にしっかりと、頭にフィットしたヘルメットは、それぐらいしないと頭を入れる事が出来ません!逆に言うと、簡単にかぶれてしまう様では、頭に対してサイズが大きすぎるのかも知れません? |
今度は、脱ぎ方です。
脱ぐ時は、ヘルメットを後ろへ回すようにして脱ぎます。勿論、この時も「あごひも」を、左右に引っ張りながら脱ぎます。 |
この様に、ヘルメットを後ろ方向へ回転させるようにすれば、スムーズな脱着が出来るという事です。 という事は・・・
「ヘルメットは、こう言う方向から力を加えられると・・・簡単に脱げてしまう? という事です!」
単にカーブで、単独で転倒した様な状況なら・・・人間は、急所の多いからだの前面部分を本能的にかばうので、側頭部から後頭部にかけて撲打することが多いのですが、不規則な転倒や衝突の場合は、顔の部分から撲打する事が多くなります!
そうすると、下から突き上げられてヘルメットが脱げる方向へ力が加わる事が多くなります。
「ですから・・・あごひもをしっかりとする事が、重要になるのです!」
あごひもをしていないと、強い衝撃を受けた時には簡単に脱げる事が有り得ます。
また、直接に衝撃を受けなくても、遠心力で脱げてしまう事も考えられます!
これらの事柄を考えてみると、しっかりとしたヘルメットを正しくかぶる必要が、絶対にあるという事でしょう!
特に重要なのは、あごひもです!!!
ただし・・・実際の使用状況を考えると・・・近所のコンビニへ買い物に行くのに、いちいち御大層な「フルフェイス」のヘルメットを、かぶるのか? ということも、あるかもしれません?
しかし・・・ま〜いいか? と考えた時に、事故に遭うこともあるかもしれません?
そのへんの最終判断は、ご自身で行なってください!!
でも、「あごひも」だけは必ず締めましょうね!!!