私の好きなFiddler 1

 私の今現在のメイン楽器は、『Fiddle』なのですが・・・
元々は中学時代にギターがら始めたのです、中学の終わりごろに『Bluegrass』
に、出会いました。その時に、衝撃を受けた楽器が「Banjo」でした。
 しかし、Banjoを弾く人間が必ず抱く疑問?「Banjo」って、Bluegrassの中では
「メイン楽器(主役)ではなく、サブ楽器(脇役)なのでは、ないだろうか?」と考える
と、どうしても「Fiddle」が主役?と考えるようになるのです。
 まあ、主役ではなくても、「American Music」の本流には「Fiddle」が存在する
のは、確かなのです。そして、Fiddleはどんな音楽にも適応出来るのです。

 そんでもって、非常に興味がわいて・・・弾くようになったのです!

Fiddleを弾き始めて、いろいろなプレーヤーの演奏を聴いたのですが・・・
自分で弾く時は、こんなイメージを持っています・・・。

 1、Byron Berlineの様に『楽しく』
 2、Richard Greeneの様に『切れ(シャープ)』が、有って
 3、Mark O’Connerの様に『カッコ良く』
 4、Scotty Stonemanの様に『熱く』
 5、Vassar Clementsの様に『思いのままに』 弾きたい!

 この様に、思っています。 これが私の理想の「プレーヤー像」です!
 ま〜理想と現実のギャップは、非常に大きいですが・・・

 それでは、この5人のFiddlerを紹介いたします。

 まず、Byron Berline(バイロン・バーライン)です。

この方が、Byron Berlineです。
 私の最も好きなプレーヤーです。彼の演奏は、本当に楽しそうに見えるし、楽しい
音に聞こえるのです。そして、泉の様に無尽蔵にわき出てくる?フレーズですね。
彼は、非常に「ジャム・セッション」が好きなプレーヤーらしいのです。昔は、ブルーグラス・フェスの会場で、ビール片手に一晩中「ジャム・セッション」に興じる彼の姿が、良く見られたそうです。彼は、お父さんも非常に有名なFiddlerだたのですが、常にFiddle(音楽)と共に暮らしているような生活だそうです。彼の考えで行くと・・・Fiddleの演奏が上手くなりたければ、常に何時でもFiddleを演奏出来る状態にしておくことだと言っています。ケースには入れないで、壁に掛けておくべきだと!それも一本ではなく、少なくとも・・・リビング・ルームに一本、ベッド・ルームに一本、そしてバス・ルームに一本?と・・・これは、実際に彼が言った言葉です!
 私は、彼が弾く「Sally Goodin」が非常に好きです。彼が弾く、この曲を弾きたくて
Fiddleを始めた様なものです。

 次に、Richard Greene(リチャード・グリーン)です。
この方が、Richard Greeneです
 Fiddleを弾き始める以前より好きでしたね!この人は、元々は西海岸(ブルーグラス音楽とは、まったく関係が無い地域です)の出身で、学生の頃にブルーグラスに出会い演奏を始めたそうです。ですから、元々はクラッシック・ヴァイオリンを目指していたそうです。ですから基本的なテクニックは、クラッシックのものですから非常に「シャープ」な音を奏でます。でも、その音以上に彼の演奏は・・・「発想」が凄いのです。若い時は非常に「ぶっ飛んだ」演奏をしていました。Bill MonroeのBluegrass Boysにも在籍していたのですが、その当時はBill Monroeに非常に可愛がられたようです。

 3番目は、Mrak O’Conner(マーク・オコーナー)です。
この方が、Mark O’Connerです。この人の事は、いろんなFiddleを聞き始めてから知りました。 この人は、元々はアメリカ各地で行われている「Fiddle Contest」に出場していたプレーヤーです。10歳を過ぎてからFiddleを始めて、13歳の時にオープンクラスのチャンピオンになっている天才プレーヤーなのです。その後も、テクニックを磨き・・・今や、チェロ・プレーヤーのヨー・ヨー・マ等とのセッションを行なう、クラッシック会からも認められるヴァイオリニストになっています。ですから、基本的には「ブルーグラス・プレーヤー」とは、言えません。
しかし、そのテクニックたるやもの凄いものがあります。でも・・・彼の演奏を、「フィドルの本」(茂木 健著)の中で、こう書かれています。私も同感なのですが・・・
 「彼の演奏は、それはそれは素晴らしいテクニックなのですが、致命的な欠点があるのです。それは・・・ちっとも面白くないのです。」この文面を見た時は笑いましたね!その通りなのです。彼のアルバムは、面白くないものが多いのです。(私にとっては) しかし、彼の演奏には憧れます。特に、誰でも知っている様な、スタンダード曲を、ジャムセッションとかで演奏する時は・・・本当に凄いんです!!!
 素晴らしいテクニックと、豊富な経験、そして、それらを使い瞬時にフレーズやメロディーを組み立ててゆく発想力が素晴らしいのです!さすが「最高峰のコンテスト・フィドラー」です。

 4番目は、Scotty Stoneman(スコッティー・ストーマン)です。
画像は本人では、ありません!  この人のFiddle演奏は・・・とにかく「熱い!」演奏です!
テクニック的には、そんなに凄いと言うわけではないのですが・・・その当時(1960年代)のFiddle音楽の勢いを感じさせる演奏なのです。特に、この人の演奏の多くは、「いつまで弾くねん?」と言わせるぐらいに延々と弾き続ける面白さがあるのです。その間、同じフレーズを弾かない?と言うのも凄い所です!お決まりのフレーズは、あるのですが・・・それを、ドンピシャのタイミングで使うのです。
 特に、Kentucky Colonels(ケンタッキー・カーネルズ)との録音は素晴らしいです! Fiddleとは本来こんな感じで弾くものや!と、思わせる演奏です。


 最後は、Vassar Clements(ヴァッサー・クレメンツ)です。
この方が、Vassar Clements
 この人のFiddleの演奏は、本当に「自由奔放」なのです!
自分自身の心に浮かぶままに弾ける人なのです。弾き方も、こだわりなんかまったく無し・・・と言う感じです。クラッシックのヴァイオリニストが見たら・・・「何じゃそりゃ?」と言う演奏です。演奏テクニック的に言うと「デタラメ」です。無茶苦茶な弾き方なのですが・・・その発想が凄いのです! Mark O’ConnerやRichard Greeneの演奏は、良く聞いて演奏の理屈を考えたら・・・だいたい弾き方が理解出来るのですが(自分で弾けるかどうかは、別として)、Vassr Clementsの演奏は・・・考えても判りません? 何曲かコピーをしてみたのですが、本当にヴァッサーになりきって弾かないと似たような演奏など出来ません! あまりにも、気持ちのままに、思いのままに弾く方なので・・・おそらく自分自身ででも二度と同じ演奏は出来なかったのではないかと思われます。 実際に、彼自身が行なっている「教則ビデオ」が有るのですが、「もう一度!」と、言いながら違う事を弾いています?
 その様な演奏をする人なので、調子の良し悪しがハッキリと演奏に出ます。調子が良い時は、本当に凄い演奏をするのですが・・・調子が悪い時はサッパリの時もあります。ですが、それがまた人間らしくて良いのです。プレーヤーも、同じ人間です。あまりに超人的になり過ぎると、逆に面白くなくなります。最近の若くて凄いプレーヤーには、そんな人が結構いますが・・・

 この5人が、私の特に好きなFiddlerです。

他にもたくさん、好きなFiddlerはおりますが・・・今回は、これくらいで・・・

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