BlueBell F8 Mandolin

 今回は、「Fスタイル・フラットマンドリン」の BlueBell F8 を、紹介いたします。

 マンドリンと言えば・・・ボディー裏が丸い物が有名ですが(明治大学マンドリン倶楽部
 とか)、ブルーグラス音楽で使われるのは、ボディー裏が平らな「フラット・マンドリン」
 を使います。特に「Fスタイル」と言う、独特の形をしている物が主流です。
 何故か・・・ブルーグラスの父こと、Bill Monroeが使っていたからです!

 BlueBell F8

 ブランド名   BlueBell
 製造元     富士弦楽器
 製造年     1978年?
 販売価格    定価80,000円

 「Fスタイル」のモデルの、最廉価番です。
 しかし、この頃のBlueBellマンドリンの中
 では、一番コスト・パフォーマンスが高かった
 製品だったと思います。
 BlueBell マンドリンの名工 
 『小坂部 安雄』氏の作だと思われます。

 小坂部氏は、日本の量産マンドリンの品質を
 向上させた立役者だと思います。
 その小坂部さんが、定年退職後に富士弦楽器
 の工房で「嘱託社員」の様なかたちで、マンドリ
 ンを製作されていた頃の作品だと思います。
 この頃のBlueBellマンドリンが、 
 是非とも欲しかったのです。
 幸いにも妥当な値段で、手に入
 れる事が出来ました。
 何故にこの頃のBlue Bellが良
 いのか?
  この「カービング」の深さです。
 しっかりと作ってあるのです。
 ただ・・・今現在のフラット・マンドリンの主流?
 『ロイド・ロアー』型ではないので、ボディーの
 スタイルは「丸い」形をしています。
 『ロイド・ロアー』は、すこし縦長なのです。

  でも、この形がBlueBell特有の「まろやかな」
 『音』を作りだしているのだと思います。

 同じ「Fスタイル」でも、少し違う音なのです。
 ヘッド・インレイは「フラワー・ポット」です。

 1970年代の「ギブソン」のコピーですね!
 1920年代(ロイド・ロアーの頃)のは、もう
 すこし細身で「シュッ」としています?
 フィンガー・ボード(指板)のインレイは、
 「ブロック・スタイル」ですから・・・
 『サム・ブッシュ』モデルと言えますか?
 ペグ・ヘッドを横から見た所なのですが・・・

 「ロイド・ロアー」の時代の物は、ボディー側
 から、ヘッド先へかけて「テーパー」状態に
 なっていたのですが・・・ここも1970年代の
 モデルの様に平行になっています。
 ボディーの「スクロール部分(渦巻きの所)」の
 彫り込みも少しやり過ぎですね?
 「ロイド・ロアー」の時代の物は、ここまで極端な
 彫り込みはしていません。

 話によると・・・小坂部さんは、この頃はまだ
 「ロイド・ロアー」の時代のマンドリンの事は、
 良くご存じではなかったようですね?

 1970年代の「ギブソンF5」を、忠実に再現され
 ていたようです。

 最初に提示されていた見本が、「ロイド・ロアー
 」なら・・・どんなに素晴らしいマンドリンが
 出来ていたのでしょうか?
 「スクロール(渦巻き)」の形は、
 非常に綺麗です。
 BlueBellの、マンドリンの渦巻
 きは、ええ加減な形の物が多い
 のですが・・・これは、良いです
 ね!!
 最廉価番ですので、綺麗な「トラ杢」は、
 まったくありません!

 それだけが、このマンドリンの不満部分です。
 ボディー横の「角」の部分も
 しっかりと作ってあります。

 グラス・ランドでしたか・・・
 この部分を別部品で貼り付け
 ているマンドリンを見た事が
 あります・・・

 先っぽの部分のセルが溶けて
 剥がれてしまっていましたので
 パテで補修しています。
 セル部品の崩落は、この時代
 のBlueBellマンドリンには、
 よくあるトラブルです。

 とりあえずパテで直してありま
 す。しっかりと直そうとすると・・
 セルを全部貼り直さないといけ
 ないので・・・とりあえず・・・
 ギブソンの、アーチ・トップ系の
 楽器はすべて、このタイプの
 ブリッジなのですが・・・
 音の伝達という面から考えたら
 良いのですかね?
 Bill Monroeスタイルの、スト
 ラップを自作してみました!
 マンドリンが「本職」ではないのですが・・・
 凄くマンドリンを弾くのが好きなのです!
 
 この楽器は、本当に弾いていて楽しくなる
 楽器です!!!

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