Aria ProU マンドリン

   このマンドリンは、Aria ProUのフラット・マンドリンです。

   ちょっと面白いところが有るマンドリンなのです。

 Aria ProU F5スタイル・マンドリン

 製作年、定価ともに 不明?
 一見、ごく普通のFスタイルです。
 側板は、合板ですね。
 側板を、単板で作ると大変に手間が掛かりますから
 合板なのはコストの面から考えると、致し方無いで
 しょう?
 裏板は、綺麗なトラ杢が出ています。

 裏板は、単板ですね?
 凹凸の激しいFスタイルのマンドリンの裏板を
 合板で作ると、逆にコストがかかります。
 表板も勿論、単板なのですが・・・

 ちょっと・・・変なのです?

 何が・・・・・?
 ネックの付け根の所が・・・

 変です?
 BlueBell F8 は、こうなっています。
 「ロイド・ロアー」のコピーである、
 「フィールズ・マンドリン」は、こうです。

 違いがわかりますか?
 本来、「1920年代のギブソン・マンドリン」
 は、この様に3つの部品から成り立って
 います。

 これは、「エレベーテッド・フィンガーボード」
 と言って、『ロイド・ロアー』が考案したとされ
 ている構造です。
 しかし、部品点数が多く手間がかかるので
 1970年代のギブソンは、この様になって
 います。(これは、BlueBell です。)

 この構造自体、どの様に接合しているのか
 私は良くわからないのですが・・・?

 構造上の理屈で言うと、『ロイド・ロアー』の
 スタイルが一番理にかなっておりますが・・
 さて、このAria ProUは、この様に表板を
 分厚く残して作られています。

 これは、1910年代の『ロイド・ロアー』以前
 のギブソンに見られる接合の仕方です。
 それを、意識した訳ではないでしょうから?
 完全な「手抜き」の構造、作り方ですね?
 「Made in Japan」のステッカーが有るのですが・・・

 おそらく、生産を韓国などに移す直前位の時期に
 作られたものなのでしょうか?
 
 とりあえず、「F5スタイル」という感じのモデルでしょう?

 原作を知らない人(意味がわからない人)が作ると、「似て非なる
  物」になってしまいます。

 日本製〜韓国製〜中国製〜ETCと、なるに従って・・・
 「なんじゃこりゃ〜?」と、言う物になっていっていた様な
 気がします?
 ペグ・ヘッドのインレイは、アバロン?のスライスを
 貼り付けてあります。ですから、厳密に言うとインレイ
 では、ありません!

 この「貼り付け」の良いところは、簡単に剥がせて 
 跡が残らないことです!

 でも・・・このマンドリンに「Gibson」と、インレイしても・・・
 意味無いですよね?
 音の方は・・・何とも面白い音がしますね?

 ヤッパリ、表板の構造のせい?

 Fらしからぬ音がします。(Aスタイルのよう?)

 BlueBell F8 を、入手する以前に使っていたの
 ですが、現在はほぼ「オブジェ」の様な存在になって
 おりますね? もったいない!

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