Bluegrass Music
私が好きな音楽の筆頭が、『Bluegrass』です。
どう言うジャンルかと言うと・・・日本で言うところの「カントリー音楽」の一つでしょう?
この方がBill Monroeと言う方で、Bluegrassの創始者。
『ブルーグラスの父』と呼ばれる方で、この音楽の創始者です。
アメリカの南部と言われる地域の一つ、Kentucky州の出身です。
アメリカの東南部は、イギリス諸島(イングランド、スコットランド、アイルランド等)からの入植者が多かった所ですが、彼も先祖はスコットランドの出身です。
その移民達が持ち込んだ故郷の音楽を元に、ジャズとブルースの要素を加味して自分自身の強烈な個性とで作り上げたのが・・・ブルーグラス音楽なのです。
(ただし、彼が始めた当初は「Bluegrass」と言う名前は無かったのですが・・・)
伝統的な古い音楽をベースにしているのですが、比較的に新しい音楽なのです。
一般的に、その始まりは1946年ごろだとされています。
ただし、彼自身の楽器のケースには『Blue Grass since 1939』と書いてありましたので、彼自身としての始まりは自分自身のバンドを作った1939年が始まりなのでしょう。
何故に1946年頃が始まりとされているのかと言うと・・・1946年にシカゴで録音された最初の16曲が今に続く「ブルーグラス音楽」の基本型が出来たからなのです。
それまでは、どちらかと言うと「試行錯誤」の時代だったのです。
それでは何故に1946年が始まりの年とされるのか・・・?
その理由は・・・この時のバンドメンバーが重要だったのです。
ビル・モンロー (Bill Monroe) マンドリン&ボーカル (コーラス時はテナーボーカル)
レスター・フラット (Lester Flatt) ギター&ボーカル (同 リードボーカル)
アール・スクラッグス (Earl Scruggs) バンジョー&ボーカル (同 バリトンボーカル)
チャビー・ワイズ (Chubby Wise) フィドル
ハワード・ワッツ (Howard Watts) ベース
これが、この時の最初の録音らしいのですが・・・凄いのですよこれって!!
何が凄いって・・・この当時は、マイク一本での一発録音なのです!
今の録音の様に各パートごとに、別々に録音したり、各パートごとに後から調整や録音をやり直す事なんて出来なかったのです!しかも、各楽器やボーカルの音量調整も各人がマイクまでの距離とか、楽器の音量、声量で調整(ほぼ勘ですよ!)していたのです。
そして、勿論の事なのですが・・・楽譜なんてものはありません!(この時代の方々は、ほとんど楽譜が読めない方ばかりでした)
それで、この出来ですよ! 私は凄いと思います!!!
そして、このメンバーの中で特に重要な意味合いを持つのが・・・バンジョー奏者の『アール・スクラッグス』なのです。
この方が『アール・スクラッグス』です。
残念ながら先日 2012年3月28日に84歳で亡くなられました。
アール・スクラッグス以前にもバンジョー奏者はいたのですが、彼の様に華麗な「スリーフィンガー奏法」を使う人はこの当時にはいなかったのです。
実は、私はブルーグラスを最初はラジオで知ったのですが・・・その時は、てっきり何人かの複数人数で、この楽器を弾いているものだと思っておりました? 初めて、実際に弾いている人を見た時は驚きました!「ひとりで、弾いているんや〜?」と・・・
アール・スクラッグスの華麗なバンジョーと、レスター・フラットのドライブの効いたギター、スウィンギーなチャビー・ワイズのフィドル、そして堅実なハワード・ワッツのベースを得てビル・モンローの「ブルーグラス」音楽が出来たと言えるのです。
実際に彼らの音楽は、東南部地方を中心に爆発的にヒットして行きました。
しかし、あまりにも忙しい演奏活動に疲れたのか? はたまた、ビル・モンローの強烈な個性に疲れたのか?(実際になかなかのヘンコな人物だったそうです)
1948年にアール・スクラッグスとレスター・フラットはバンドを辞めて、自分たちのバンド「Lester Flatt&Earl Scruggs & Foggy Mountain Boys」を結成して独立しました。
商業的にはFlatt&Scruggsの方が遥かに成功を収めました。
日本でも「じゃじゃ馬億万長者」の題名で人気を博したテレビ番組の音楽を担当したりしてバンドは大ヒットしました。
他にも南部地方では、彼らの様なバンドがたくさん出来て、いろいろなプレイヤーを生んで行きました。超有名なところでは・・・カーターとラルフのスタンレイ・ブラザーズ。ビル・モンローの「ブルーグラス・ボーイズ」、レスター&アールの「フォーギー・マウンテン・ボーイズ」、そしてカーター&ラルフの「スタンレイ・ブラザーズ」この3つのバンドを「御三家」と呼ばれます。そして、彼らの音楽は南部の人達に、特に若者に大きな影響を与えたそうです?その中から、とんでもない人物が現れる事になったのです・・・。 つづく・・・